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特集 細胞毒マニュアル—実験に用いられる細胞毒の知識
神経系に作用するもの
神経終末作用薬
6-ハイドロキシドーパミン
6-hydroxydopamine
樋口 宗史
1
,
吉田 博
1
Hiroshi Higuchi
1
,
Hiroshi Yoshida
1
1大阪大学医学部第1薬理学教室
pp.440-442
発行日 1984年12月15日
Published Date 1984/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425904630
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■特性
6-ハイドロキシドーパミンはドーパミンの水酸化物でノルエピネフリンの異性体にあたる。1967年にTranzerとThoenenによって,末梢交感神経の神経終末叢に対する破壊作用が発見された。DAに関係したpolyphenol化合物の中では,特に大きな負の酸化還元電位を持ち,非酵素的に自動酸化をおこして分解しやすい。特にアルカリにおいて酸化されやすく,p-quinone構造に変化した後,水酸基フリーラジカルなどを産生する。安定性のため,塩酸塩,臭酸塩として用いられるが,これらの塩も空気中の酸素で酸化されやすい。これらの塩は吸湿性があり,水に中等度溶ける。融点は211〜212℃(臭酸塩)である。
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