Japanese
English
実験講座
HRPによりマークされた単一細胞の電顕試料作成法
Electron microscopic technique for neurons marked by intracellular injection of HRP
酒井 廣子
1
Hiroko Sakai
1
1国立基礎生物学研究所,感覚情報処理部門
pp.521-526
発行日 1980年12月15日
Published Date 1980/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425903430
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
Procion dyeやHRPなどのすぐれたマーキング物質の導入により細胞内マーキング法は電気生理学の分野で急速にポピュラーな手法となってきた。筆者はプレッシャーによるHRPの細胞内注入法を昨年本誌で紹介した19〜22)。ところで,神経細胞の電気生理的応答と光顕でみる形態の対応づけが行われる一方で,同じ神経細胞の入出力関係を知るため,電子顕微鏡によってシナプス構造を明らかにする努力がなされてきている1〜8,10,11,13〜18)。そこではマーキングされた細胞のシナプスが光顕で観察された細胞の全体像のどこに位置するかを正確に決定することが主たる関心事であり,単一神経細胞への入力信号の統合様式を解明しようとしている。
現在,我々のグループはHRP電顕法を用い脊椎動物網膜神経細胞の機能構築を明らかにしつつあるが,本法は網膜以外にも広く中枢神経系に応用できるものと思われるのでここに紹介する。以下に述べる力法は主にK. -I. NakaとB. N. Christensenによりテキサス大学において開発されたものである。
Copyright © 1980, THE ICHIRO KANEHARA FOUNDATION. All rights reserved.