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論壇
脊椎動物網膜論:第2部
A view on the vertebrate retina
中 研一
1
Ken-Ichi Naka
1
1基礎生物学研究所
pp.527-539
発行日 1980年12月15日
Published Date 1980/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425903431
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図1はアメリカなまず網膜の全体の印象を示したもので,ゴルヂ鍍銀法およびプロシオン染色法によって得られた細胞の形態に基づいて復元したものである。なまず細胞外層では受容器および水平細胞はすべて光刺激により過分極し,その大きさ(直流成分)はMichaelis-Mentenの式に従う。受容器は局所での光刺激に反応する。受容器より局所信号を受ける水平細胞はS-平面により平均照度に反応し積分信号を作る。双極細胞はこの2つの信号の差を作り,局所信号から積分信号または平均照度の信号を除去する。この結果(古典的な実験条件下では),双極細胞に同心円型受容域が作られる27)。
この双極細胞の信号は軸索により網膜内層に送られ,複雑な処理を受け視神経節細胞の軸索によりスパイクとして中枢神経に送られる―これがCajal1)とPolyak28)により樹立された古典的回路である。
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