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特集 生物物理学の進歩—第6回国際生物物理学会議より
総説
精子,纎毛,バクテリアの運動
Movement in sperm, cilia and bacterial flagella
毛利 秀雄
1
Hideo Mohri
1
1東京大学教養学部生物学教室
pp.6-9
発行日 1979年2月15日
Published Date 1979/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425903292
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はじめに
ここ10数年の間に,非筋肉系の細胞運動にアクチン・ミオシン系とは異る収縮タンパク質が関与していることがしだいに明らかになってきた。たとえばバクテリアの運動はフラジェリンよりなる鞭毛がその根本にあるモーター装置で回転することで起こり,ツリガネムシの柄の中にあるspasmonemeの収縮にはCa結合タンパク質であるスパスミンが関与しており,また精子の鞭毛や繊毛虫の繊毛の運動はチューブリン・ダイニン系の働きによって起こる。
ここでは第6回国際生物物理学会議における標題のようなシンポジウムでの講演を中心に,その後に名古屋で行われた"アクチン,ミオシンおよび関連タンパク質による細胞運動"に関する山田コンファレンス,箱根で行われた"原核生物および真核生物の鞭毛運動の機構とその調節"に関する日米セミナーでの話題についてもまとめてのべることにする。
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