原著
卵管の纎毛運動
山田 文夫
1
1大阪市立醫科大學産婦人科學教室
pp.306-309
発行日 1950年8月10日
Published Date 1950/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409200371
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緒論
纎毛細胞または纎毛組織あるいはその運動に關する研究は原生動物,軟體動物などにおいてはかなりの進歩をみているが,哺乳類その他の脊椎動物においてはその對象である纎化の存在が呼吸系,消婦系,尿生殖系あるいはエペンヂウム細胞系などに限られており,從つて臨床醫學方面においては耳鼻咽喉科學とともに我が産婦人科學領域はその研究分野の大きな部分を受持つているわけで,從來より妊娠成立機轉,卵管妊娠の原因などについては種々の見解が發表されてきた.著者はここにかの微小なる纎毛の存在についての認識をあらたにされることを希望しつゝ,我が領域の纎毛運動研究業績のうち,卵管のそれについて主として機能的方面より紹介を試みるものである.
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