Japanese
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特集 松果体
総説
松果体の機能形態学
Functional morphology of the pineal gland
松嶋 少二
1
,
加地 隆
1
,
向 節子
1
,
森沢 裕子
1
Shoji Matsushima
1
,
Takashi Kachi
1
,
Setsuko Mukai
1
,
Yuko Morisawa
1
1旭川医科大学医学部解剖学教室
pp.438-444
発行日 1976年12月15日
Published Date 1976/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425903154
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哺乳類の松果体機能に関する研究は,近年めざましく進展したが,これまでの松果体研究では生化学的レベルでの検討が主流をなしており,形態学的領域からの追求は一歩後退していた感があつた。実際,今日よく知られている松果体機能の光による調節機構の詳細は,主として生化学的観察によつて明らかにされたものであり,この問題に対する形態学的裏付けは今日でもなお十分とはいえない。今日までの松果体機能に関する研究において,形態学的側面からの検討が比較的少なかつた理由はいろいろ考えられるが,従来の形態学的観察では,この器官の顕著な特徴である日内リズムの現象を的確に捉えることが困難であつたことも一因であろう。
私どもは従来から松果体の機能を形態のレベルで捉える試みを続けてきたが,最近ようやく松果体における日内リズムの問題をマウス松果体のグリコゲン量や交感神経線維にみられる小胞の超微形態などを指標として把握できるようになつた。本稿では,光刺激と松果体の機能的関連性の問題を交感神経線維の小胞にみられる日内リズムの面から考察してみようと思う。
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