Japanese
English
特集 細胞活動の日周リズム
松果体細胞形態の日周リズム
Twenty-four-hour morphological rhythms in pinealocytes
松嶋 少二
1
,
阪井 裕子
1
,
平 義樹
1
Shoji Matsushima
1
,
Yuko Sakai
1
,
Yoshiki Hira
1
1旭川医科大学解剖学第二講座
pp.579-584
発行日 1991年12月15日
Published Date 1991/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425900294
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近年,哺乳動物松果体のホルモンと目されるメラトニンの日周リズムに関する生化学的研究が著しく進展し,それとともに,哺乳動物松果体における日周リズムの形態学的研究もしばしば試みられるようになった。しかしながら,今日まで松果体リズムの形態学的研究に用いられた動物はなお少数の種に限られており,松果体の形態学的日周リズムの問題を哺乳動物全般にわたって総括するにはなお多くの時間が必要と思われる。
私どもは,計量形態学的研究に適するという単純な理由から,これまでマウスなどの小動物を用いて松果体リズムの形態学的研究を進めてきたが,その結果,とくにマウスでは,分布神経,血管や血管周囲腔および松果体細胞など松果体組織の構成要素がいずれも顕著な日周リズムを示すことがわかった1-3)。さらに,最近,野生マウスを除く多くの系統のマウスの松果体にはメラトニンが存在しないことが知られるに至り4,5),この動物は松果体の形態学的日周リズムの意義を理解するうえに重要なモデルであることが明らかになった。ここでは,マウス松果体細胞の形態学的日周リズムとその神経性調節に関する私どもの成績を中心に最近の観察所見も含めてまとめてみたいと思う。
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