Japanese
English
解説
工学的にみた聴覚器官の特性
Characteristics of hearing organs observed from a engineering point of view
大串 健吾
1
Kengo Ohgushi
1
1NHK放送科学基礎研究所
pp.152-163
発行日 1975年4月15日
Published Date 1975/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425903047
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まえがき
従来の工業技術は,概して人間の種々の面の能力を拡大する方向に進歩してきたといえよう。たとえば,人間の走行能力を拡大するものとして自動車,計算能力を拡大するものとして電子計算機というような例が考えられるが,このような例は他にも多く挙げることができる。しかし近年になつて,人間の能力の拡大ばかりでなく,人間の能力の代行をめざすような研究の方向が現われてきている。このような立場にたち,生体の内部的構造を探求し,工学的に実現できる形として理解していこうという研究が生まれてきた。このような研究は生体工学とよばれている。
ここでは聴覚系を工学面から眺め,いくつかの問題点についての各方面の研究成果を,新しい生理実験研究および心理物理実験研究の成果を含めつつ紹介していくことにする。
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