Japanese
English
特集 平衡機能と姿勢反射
耳石器官の生理
Physiology of the otolith organ
佐々木 寛
1
,
生駒 尚秋
1
Hiroshi SASAKI
1
,
Hisaaki IKOMA
1
1鳥取大学医学部耳鼻咽喉科学教室
1Department of Otorhinolaryngology, Tottori University School of Medicine
pp.666-672
発行日 1974年8月10日
Published Date 1974/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431903647
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
Ⅰ.耳石系の刺激とその反応
耳石器官は,平衡斑で頭部の位置およびその変化と直線運動(加速度)を感受して,中枢機構の関与によって,四肢・躯幹や眼筋に反射を生じ,身体の姿勢の保持や円滑な随意運動を行なう。
耳石器官の関与する反射としては,姿勢反射と直線運動反射がある。姿勢反射には立直り反射と構え反射が含まれる。立直り反射は,頭部や躯幹を重力加速度に対して正しい位置に立ち直らせる反射である。空間における頭の位置の変化や,頭部・躯幹・四肢の相互的な位置の変化は,四肢・躯幹に一定の筋緊張の変化を生じる。これを構え反射といっているが,これには緊張性迷路反射,緊張性頸反射,伸展反射,交叉性伸展反射などが含まれる。運動反射としては,耳石器官は直線運動反射に関与する。頭部に加わる直線加速度に対して,眼・四肢・躯幹に反射運動を生じ,運動が円滑に行なわれる。
Copyright © 1974, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.