Japanese
English
特集 平衡機能と姿勢反射
耳石器官の形態
Structure of the otolith organ
佐々木 寛
1
,
生駒 尚秋
1
Hiroshi SASAKI
1
,
Hisaaki IKOMA
1
1鳥取大学医学部耳鼻咽喉科学教室
1Department of Otorhinolaryngology, Tottori University school of Medicine
pp.661-665
発行日 1974年8月10日
Published Date 1974/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431903646
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Ⅰ.内耳の形態
内耳には聴覚を感受する終末受容器である蝸牛と平衡に関与する前庭(球形嚢,卵形嚢),三半規管がある。内耳は側頭骨岩様部内で錐体部に埋没し,中耳腔の内側に接している。したがって内耳の伸展方向は,体軸に平行せず,蝸牛部を前に,半規管を後にして矢状面に対して約45゜内側に向かっている。
内耳はカリウム濃度の高い内リンパ液を容れる膜性の閉鎖管系で,一端は約2.5回転した蝸牛部の蝸牛管で,それに続いて細くくびれた連合管Ductus reuniensにより球形嚢と,ついで細い連嚢管Ductus utriculosaccularisによって卵形嚢に連なり,その側端に三半規管がある。これが膜様迷路である。その周囲を同形の腔隙が取りまき,外リンパでみたされている。蝸牛部では前庭階,鼓室階となって蝸牛管を包み,前庭では外リンパ腔となる。これは蝸牛導水管を通り,錐体後面の頸静脈窩でクモ膜下腔と交通する。いずれも緻密な骨質からなる被殻すなわち骨性迷路で包まれ保護されている。
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