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特集 健康と医療を革新する数理工学――数学を医学に活かす!
未病研究と数理工学
Pre-disease science and mathematical engineering
奥 牧人
1
Makito OKU
1
1富山大学未病研究センター
キーワード:
未病
,
数理工学
,
予防
,
早期介入
,
ムーンショット研究
Keyword:
未病
,
数理工学
,
予防
,
早期介入
,
ムーンショット研究
pp.157-160
発行日 2025年7月12日
Published Date 2025/7/12
DOI https://doi.org/10.32118/ayu294020157
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少子高齢化が進むなかで,疾患発症後の治療と比べてコスト面に優れた発症予防や早期介入の必要性が高まっている.これを受け,さまざまな疾患の発症前段階を総称する言葉として,“未病” というキーワードが浮上し,着目されている.目指すべきは,特定健診と特定保健指導のように,疾患発症の高リスク状態を簡便な方法で検出し,適切な介入により発症を予防できる社会の実現である.現在,ムーンショット研究という大型プロジェクトのなかで未病を対象とした研究が進められている.そのひとつの柱として,健康状態から疾患発症までを細かく測定し,得られたデータを実験系研究者と数理系研究者が共有して連携を取りながら解析することで,未病期間の詳細な過程を明らかにする基礎研究が行われている.そのなかで数理工学がさまざまな形で役に立っている.今後は,これまでの基礎研究の成果を社会実装につなげるための応用研究が中心になる見込みである.

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