Japanese
English
報告
肝癌細胞の電気生理学
Some Physiological Observations on Hepatoma
菅野 義信
1
Yoshinobu Kanno
1
1広島大学歯学部口腔生理学教室
1Department of Physiology, School of Dentistry, Hiroshima University
pp.191-198
発行日 1966年8月15日
Published Date 1966/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425902691
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はじめに
ショウジョウバエ(Drosophila flavorepleta)の幼虫の唾液腺を用い,細胞内核膜の研究を行なつていた当時,しばしば核膜を傷つけることなく細胞膜を破壊し,核を外液に露出させ,電気的性質を測定した13)14)18)。細胞膜の破壊,あるいは穿孔により,電気的には細胞膜静止電位を消失(完全に脱分極)させると,隣接の細胞には何らの損傷を加えないにも抱らず,まもなくその細胞の静止膜電位も消失することに疑問を覚えた。たまたま1962年,Atlantic Cityでの生理科学連合会で当時LosAngelesのU. C. L. A. におられた萩原教授にお会いする機会があつた。この疑問を話したところかつて蚕糸試験所の石川氏とカイコの唾液腺を調べた所見と同様であり,この研究はその後中止していることを伺い得た。
翌年Woods HoleでKuffler研究室のFurshpan,Nicholls,Potter氏らと意見交換の機会があり,その年の秋よりColumbia大学Werner R. Loewenstein教授と共にこの問題に取り組むことになつた。
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