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特集 骨格筋研究の新展開
骨格筋筋小胞体のリアノジン受容体とカルシウム動態
Ryanodine receptors and calcium dynamics in skeletal muscle excitation-contraction coupling
村山 尚
1
,
呉林 なごみ
1
,
小川 靖男
1
Takashi Murayama
1
,
Nagomi Kurebayashi
1
,
Yasuo Ogawa
1
1順天堂大学医学部薬理学教室
pp.294-300
発行日 2001年8月15日
Published Date 2001/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425902520
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骨格筋形質膜に起きる興奮という電気的現象がどのようにして筋原線維の収縮という機械的現象に転換されるかという問題は,「興奮収縮連関」として以前より多くの研究者の興味を惹き付けてきた。筋肉の収縮弛緩の制御がカルシウムイオン(Ca2+)により行われることが江橋ら1)により確立されて以来,この問題は横行小管(T管)の脱分極が筋小胞体(SR)からのCa2+遊離を惹起する機構の解明へと焦点が絞られた。初期には主としてカエル骨格筋を用いた生理学的研究が多くなされ,その後,分子生物学の発展にともない遺伝子変異マウスなどの哺乳類骨格筋を用いた研究が主流となってきている2)。
われわれはカエル骨格筋のCa2+遊離機構についてリアノジン受容体(RyR)を中心に研究している。本稿では,われわれが最近得た知見を中心に脊椎動物骨格筋の興奮収縮連関機構について考察する。なお紙数の制限のため言及できなかった事柄については最近の総説を参照していただきたい3-5)。
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