特集 細胞の分子構造と機能―核以外の細胞小器官
2.小胞体
筋小胞体のCa2+放出機構の最近の進歩
呉林 なごみ
1
,
村山 尚
1
Nagomi Kurebayasi
1
,
Takashi Murayama
1
1順天堂大学 薬理学教室
pp.374-375
発行日 2012年10月15日
Published Date 2012/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425101320
- 有料閲覧
- 文献概要
- 参考文献
小胞体は網目状の膜系から成るオルガネラであるが,その多様な機能の一つにCa2+ストアとしての役割がある。Ca2+は重要な細胞内伝達物質で,特に筋細胞の興奮収縮連関では中心的な役割を果たしている。小胞体膜には内腔へ能動的にCa2+取込みを行うSERCAと呼ばれるCa2+ポンプと,Ca2+を放出するCa2+遊離チャネルが存在する。Ca2+遊離チャネルにはリアノジン受容体(RyR)とイノシトール3リン酸受容体(IP3R)の2種類があるが,そのうち骨格筋,心筋の興奮収縮連関に関与するのはRyRである。本稿では,RyRを介するCa2+放出機構とRyRが関係する疾患について最近の進歩を論じる。
Copyright © 2012, THE ICHIRO KANEHARA FOUNDATION. All rights reserved.