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特集 ゲノム全解読とポストゲノムの問題点
大腸菌研究の新世紀―全ゲノムが解読されたあとの研究
Frontiers of E. coli research after genome sequencing
石浜 明
1
,
牧野嶋 秀樹
2
Akira Ishihama
1
,
Hideki Makinoshima
2
1日本生物科学研究所
2総合研究大学院大学生命科学研究科
pp.525-531
発行日 2002年12月15日
Published Date 2002/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425902445
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1995年,インフルエンザ菌Haemophilusin-fluenzaeの全ゲノム1830kb1)とマイコプラズマ菌Mycoplasmagenitaliumの全ゲノム580kbの配列決定2)が報告された。以来,全ゲノムが解読された細菌は70種を超え(http://gib.genes.nig.ac.jp),わが国単独で解読された細菌ゲノムも十数種類にのぼる。解読中の細菌を含めるとすでに100種を超えている。20世紀分子生物学勃興期のモデル生物,大腸菌Escherichiacoliについては日米両国で異なる菌株でのゲノム解析が行われた。アメリカで行われた野性株K-12由来MG1655株の全ゲノム解読は1997年に終了し3)(http://www.genome.wisc.edu/sequencing.htm),日本グループは,科研費研究班を中心に,小原ら4)が整列クローンを構築したK-12株由来W3110株の配列に早くから着手したが,最近になって,堀内(基生研)・森(奈良先端大)らが配列決定を完成し,その全容は近く公表される(http://ecoli.aistnara.ac.jp/)。その間に,大阪・堺を中心に,病原性大腸菌O157株の集団感染が起きた。林(宮崎医大)・牧野(阪大・微研)らは,その全ゲノムの配列を決定した5)(http://genome.gen-info.osaka-u.ac.jp/bacteria/o157/)。
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