特集 ノックアウトマウスリスト
11.器官発生・機能
精巣―精子形成
湯浅 茂樹
1
Shigeki Yuasa
1
1千葉大学医学部解剖学第二講座
pp.478
発行日 2000年10月15日
Published Date 2000/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425902206
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BASIGIN
(ベイシジン)
[機能]免疫グロブリンスーパーファミリーに属し,多量の糖鎖を結合した膜蛋白である1,2)。細胞生物学的解析から,網膜発生過程におけるニューロン-グリア間相互作用に関与すること3),ガン細胞表面のbasiginは周囲の基質におけるメタロプロテアーゼの発現を誘導すること4)が明らかにされている。発現部位に関する詳細な検討は精巣5)ならびに中枢神経系6)で行われている。
成体マウス精巣では細糸期(leptotene)精母細胞から発現が始まり,減数分裂前期に増強し,step9-11の精子細胞の細胞膜ならびに細胞質で発現強度が最大となる。その後,鞭毛に強い発現が持続する。免疫電顕的観察では精母細胞,精子細胞の細胞膜とともにセルトリ細胞の細胞膜にも局在が認められた。胎生期ならびに成体の中枢神経系においても広い範囲で発現が認められた。また,受精卵着床時には栄養膜,子宮内膜の両者に発現が認められた7)。
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