今月の臨床 体外受精マニュアル—新しく始める人へのアドバイス
体外受精の展開
3.精巣上体精子
福田 淳
1
,
児玉 英也
1
,
田中 俊誠
1
1秋田大学医学部産婦人科
pp.1129-1133
発行日 1995年8月10日
Published Date 1995/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902238
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●はじめに
精路通過障害による無精子症に対する治療は,従来外科的手技が主体であったが,先天性精管欠損や精管が著しく障害されている場合の治療成績はきわめて不良であった.しかし,1988年にSil—berが1)は精巣上体精子を用いた体外受精の妊娠例を報告してから,多くの施設でこの方法が積極的に取り入れられ,良好な成績の報告も散見されるようになってきた.当教室でも,1991年に児玉ら2)が本邦で初めての妊娠例を報告して以来,現在まで14症例に対してこの治療を施行し,その結果3例が妊娠に至っている.また最近では,精巣上体穿刺の方法の改良や,顕微授精の進歩などにより,受精率の改善が認められてきている.今回は精巣上体精子による体外受精の具体的な方法について述べることにする.
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