特集 神経系に作用する薬物マニュアル1998
Ⅰ.受容体に作用する薬物
2.Gタンパク共役型
2)ペプチド受容体
オピオイド受容体
佐藤 公道
1
,
南 雅文
1
Masamichi Satoh
1
,
Masabumi Minami
1
1京都大学大学院薬学研究科生体機能解析学分野
pp.392-395
発行日 1998年10月15日
Published Date 1998/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425901616
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オピオイド受容体は,1940年代からmor-phineなどのアヘンアルカロイドの生体内における作用点としてその存在が想定されていた(当時はオピエート(opiate)受容体と呼ばれていた)が,1973年に放射性標識されたアヘンアルカロド類縁体を用いた結合実験により,中枢および腸管内神経でその存在が初めて確認された。
本来動物体内に存在しないモルヒネあるいはその類縁体に対する特異的受容体が脳内に存在することから,内因性モルヒネ様物質の存在が推定され,精力的な探索が行われた結果,1975年に2種のenkephalinが発見され,続いてβ-endorphin,dynorphinなどの内因性オピオイドペプチドが単離・構造決定された。さらに,昨年にも新しい内因性オピオイドペプチドの存在が報告されており,endomorphinと命名されている1)。
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