特集 受容体1997
Ⅱ.Gタンパク質共役型受容体
1.神経伝達物質・ホルモン
2)ペプチド
オピオイド受容体
佐藤 公道
1
,
南 雅文
1
Masamichi Satoh
1
,
Masabumi Minami
1
1京都大学大学院薬学研究科生体機能解析学分野
pp.393-396
発行日 1997年10月15日
Published Date 1997/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425901230
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[サブタイプ]μ受容体,δ受容体,κ受容体が主要なタイプとして広く認められている。歴史的にはσ受容体やε受容体なども提唱されたが,前者はリガンド結合の立体特異性が他のタイプとは大きく違い,その作用がナロキソンによって拮抗されないことなどのためオピオイド受容体の範疇からは外されており,後者はラットの輸精管に存在しβ-エンドルフィンに比較的特異的とされたが,その後の研究の発展はない。
さらに,μ受容体にはμ1,μ2,δ受容体にはδ1,δ2,κ受容体にはκ1,κ2,κ3とそれぞれサブクラスの存在が提唱されている。因みに,これまでにクローニングされたオピオイド受容体のcDNAはμ1,δ2,κ1と考えられる3種である。これらの遺伝子と相同性は高いが,従来知られていたオピオイド類が高親和性には結合しにくい,遺伝子工学の落とし子のような受容体,orphan受容体(opioid receptor like 1;ORL 1)も見出されている。
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