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特集 幹細胞研究の新展開
胃腸粘膜上皮の幹細胞と細胞分化
Stem cells and cell differentiation in the gastrointestinal epithelium
片岡 勝子
1
Katsuko Kataoka
1
1広島大学医学部解剖学第二講座
pp.207-212
発行日 1998年6月15日
Published Date 1998/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425901572
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消化管上皮は生理的に新生,分化・成熟,剥脱の過程を繰り返しており,Leblondらによる3H-チミジン・ラジオオートグラフィ(3H-TdR-RAG)の開発以来,renewing populationの典型として,多くの研究者がその細胞動態を研究してきた1)。そして幹細胞の概念が生まれた2-4)。しかし幹細胞の定義は,組織の一定の位置にあり,高い自己複製能力と分化すべき細胞を生み出す能力をもち,それ自身は分化した形態や機能をもたない細胞という共通認識はあるものの,必ずしも一定ではない。幹細胞は一種のヒエラルキーをなし,多分化能性幹細胞と単分化能性幹細胞,determinedstem cellとcommitted stem cellに分けて考えることができる。幹細胞から直接に生み出されて高い増殖能をもつ細胞は,progenitor cell,transitamplifying cellなどと呼ばれる。これらの概念は対象となる組織や研究方法によって使い分けられており,相互関係を明確に整理することはできない。
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