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特集 幹細胞研究の新展開
精祖細胞
The spermatogonium
永野 俊雄
1
Toshio Nagano
1
1千葉大学医学部解剖学教室
pp.213-216
発行日 1998年6月15日
Published Date 1998/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425901573
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哺乳動物の原始(始原)生殖細胞は卵黄嚢上皮に発生し,生殖堤に達し雄では精細管が形成されると胚性および幼若精祖細胞となり,セルトリ細胞と区別できる(図2)。この時期の精細管には内腔がない。性成熟期前はこのような状態を保って徐々に発達する。チミジン放射能写真による研究の結果,一般に成熟哺乳動物では精祖細胞から精子細胞が形成されるまで約50-60日かかる(図1)1)。したがって,実験動物であるマウス,ラットでは生後7-8週で性成熟するので,出生後すぐに精子形成の準備段階に入る。ヒトでは,幼若精祖細胞は生後から思春期発動まで十数年続く。幼若精祖細胞増殖の形態変化は十分に研究されていない。精祖細胞は分裂し,一部は幹細胞としてとどまり,一部は分化を始める。
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