特集 受容体1997
Ⅱ.Gタンパク質共役型受容体
1.神経伝達物質・ホルモン
2)ペプチド
メラノコルチン受容体
竹内 栄
1
Sakae Takeuchi
1
1岡山大学理学部生物学教室
pp.426-429
発行日 1997年10月15日
Published Date 1997/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425901240
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[ファミリー]メラノコルチン受容体は,ユニークな構造的特徴をもつ([分子構造]参照)ことから,細胞膜を7回貫通するG蛋白質共役型受容体ファミリーの中で,独立したひとつのサブファミリー,“メラノコルチン受容体ファミリー”として分類されている。
[サブタイプ]1992年,Coneらにより,メラノコルチン1受容体(MC1-R)とMC2-Rをコードする遺伝子が同時にクローニングされた。これを契機に類似受容体遺伝子群のクローニングが進み,これまでに異なる遺伝子座にマッピングされた五つのサブタイプ(MC1-R~MC5-R)が同定されている。これらはそれぞれ特異的な組織分布と薬理学的特性を有する(表1)1)ことから,異なったメラノコルチン作用を仲介しているものと考えられている。なお,MCI-RとMC2-Rは従来のMSH受容体とACTH受容体であり,それぞれMSH-R,ACTH-Rとも呼ばれる。これらのサブタイプは,N末端の細胞外ドメインを除き,互いに有意な相同性を示し,塩基配列で57~68%,アミノ酸配列では40~63%の同一性を示す(図1)。
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