特集 生物進化の分子マップ
12.ホルモン/生理活性ペプチド
プロオピオメラノコルチンの分子進化
高橋 明義
1
,
川内 浩司
1
Akiyoshi Takahashi
1
,
Hiroshi Kawauchi
1
1北里大学水産学部海洋分子生物学
pp.424-425
発行日 2006年10月15日
Published Date 2006/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425100293
- 有料閲覧
- 文献概要
- 参考文献
プロオピオメラノコルチン(POMC)はメラノトロピン(MSH),コルチコトロピン(ACTH),エンドルフィン(END)などの共通前駆体である1)。MSHとACTHは共通にHis-Phe-Arg-Trpという活性配列を有しており,メラノコルチン(MC)とよばれる。ACTHは副腎皮質に作用し,ステロイドホルモンを介してストレスを解消する。 MSHは色素細胞に作用し,体色を背景にカモフラージュしストレスを緩和する。β-ENDは強力な麻酔作用によってストレスからの回復を促す。すなわちPomcは体内外の環境への適応を司る一連のホルモンをコードしているのである。その分子進化を理解することは脊椎動物の繁栄の秘密を解くヒントとなる。
Copyright © 2006, THE ICHIRO KANEHARA FOUNDATION. All rights reserved.