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特集 高血圧の病態と管理の最前線
各論―血圧にかかわる新しい薬剤
ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬
Mineralocorticoid receptor antagonists
佐藤 文俊
1,2
SATOH Fumitoshi
1,2
1東北大学大学院医学系研究科
2東北大学病院
キーワード:
アルドステロン
,
ミネラルコルチコイド受容体
,
高血圧
,
慢性腎臓病
Keyword:
アルドステロン
,
ミネラルコルチコイド受容体
,
高血圧
,
慢性腎臓病
pp.168-172
発行日 2023年8月25日
Published Date 2023/8/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000000840
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はじめに
アルドステロンは,レニン・アンジオテンシン系(RAS)と副腎皮質刺激ホルモンにより刺激され,古典的には副腎皮質から生成・分泌され,ナトリウム(Na)貯留と共に循環血漿量を増加させ血圧上昇とともにカリウム(K)排泄を促進する。しかし,近年の知見では各種臓器局所でのRA(レニン・アンジオテンシン)アルドステロン系の産生・作用が注目され,RA系のみならずアルドステロンも単独で心筋線維化・リモデリング,血管障害・線維化,血管伸展性低下,血管内皮機能不全,腎障害などを通じて,動脈硬化性疾患の伸展に深くかかわっていることが示されてきた。それゆえ,ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(mineralocorticoid receptor antagonists:MRA)は,高血圧治療薬としては一般的に,難治性高血圧,治療抵抗性高血圧の際の追加降圧薬としての印象があると思われるが,心不全治療の標準治療薬の一角を築き,最近,その新規薬剤は慢性腎臓病,糖尿病性腎臓病の治療薬として重要な役割を果たそうとしている。
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