特集 受容体1997
Ⅱ.Gタンパク質共役型受容体
1.神経伝達物質・ホルモン
1)アミン・アミノ酸
L-ドーパ“受容体”
三須 良實
1
,
五嶋 良郎
1
Yoshimi Misu
1
,
Yoshio Goshima
1
1横浜市立大学医学部薬理学教室
pp.361-363
発行日 1997年10月15日
Published Date 1997/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425901222
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
ドーパは不活性のカテコラミン(CAs)前駆体であり,抗パーキンソン病作用は同脱炭酸酵素(AADC)によるドーパミン(DA)への変換によると信じられてきた。'86年にドーパ伝達物質説を提起して,遊離,応答,存在,合成,代謝,能動輸送などの基準を満たしてきた1,2)。同受容体は未同定であり,“受容体”とせざるをえない。しかし,ドーパをカテコール核含有興奮性アミノ酸伝達物質候補とみる新視点がある。CAsより低用量のドーパはシナプス前・後の立体特異的応答を生じ,かなりの応答はAADC阻害下にも生じ,競合的拮抗薬DOPA methyl ester(DOPA ME)3)により拮抗される。同薬はCAsリガンド結合を置換しない。ドーパ“受容体”は緊張性に機能し,同非特異的能動輸送部位とは異なる。細胞内情報伝達機序の糸口として,ドーパはCa2+流入を増大する4)。
Copyright © 1997, THE ICHIRO KANEHARA FOUNDATION. All rights reserved.