Japanese
English
連載講座 新しい観点からみた器官
機械受容器
Mechanoreceptors
井出 千束
1
,
立花 民子
2
Chizuka Ide
1
,
Tamiko Tachibana
2
1京都大学医学部解剖学第2講座
2岩手医科大学歯学部口腔解剖学第2講座
pp.712-720
発行日 1994年12月15日
Published Date 1994/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425900870
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機械的な刺激を受容する知覚終末を機械受容器として一括する。最も代表的な機械受容器はパチニ小体といえよう。そのほかマイスネル小体,ルフィニ小体,メルケル小体(メルケル神経複合体),ゴルジ腱器官,柵状終末,陰部小体,自由終末,また特別なものとして筋紡錘(muscle spindle)も挙げられよう。ヒトにはないが洞毛(sinus hair),アイマー器官(Eimer's organ)やヘルプスト小体(Herbst corpuscle)あるいはグランドリ小体(Grandry corpuscle)なども挙げることができる。洞毛はネコやイヌなどの長いひげの毛包が広い静脈洞によって囲まれたものである。グランドリ小体やヘルプスト小体は鳥類にある知覚終末である。ここではヒトに見られる機械受容器について述べたい。
機械受容器は生理学的に速い順応性(rapidly adapting)と遅い順応性(slowly adapting)の二つのグループに分けられる1)。前者は刺激のonとoffに強く発火して,持続的刺激には速やかに順応して,すぐに発火しなくなる知覚受容器である。それに反して後者は,持続的な刺激に対して発火し続けることができる。同じ速い順応性の受容器といっても,受容器の種類によって反応の仕方に微妙な相違がある。同じことが遅い順応性の受容器についてもいえる。
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