Japanese
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特集 機械的刺激受容の分子機構と細胞応答
骨細胞と機械的刺激受容機構について
Mechanosensing in osteocytes
小笠原 愛智
1
,
羽毛田 慈之
1
,
久米川 正好
1
Aichi Ogasawara
1
,
Yoshiyuki Hakeda
1
,
Masayoshi Kumegawa
1
1明海大学歯学部口腔解剖学第一講座
pp.584-588
発行日 2000年12月15日
Published Date 2000/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425902495
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海の中で浮力に支えられていた動物は,進化の過程で,海から陸へあがる際,生体の支持体として強固に石灰化した内骨格系が必須となった。また海水によるミネラルバランスの調節も陸上では不可能となり,ミネラル調節の役割を石灰化骨基質が果たすこととなった。
生体の重量に耐える骨組織は,ビルを形造るコンクリートに似て,無機的な印象を与える組織である。しかし,骨切片標本を顕微鏡で観察した時,骨基質中には無数の小腔(骨小腔)が存在し,その中に細胞がひっそりと息づいていることを知る。それが骨細胞である。無数の骨小腔は骨細管と呼ばれる微細な管により結ばれており,骨細管の一部は骨表面にも開口している。骨細胞はこれら骨細管を通じて細胞突起をのばし,ほかの骨細胞や骨芽細胞,bone lining細胞と結合することにより,骨組織全体に高度に発達した細胞間ネットワークを形成している。
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