特集 動物の行動機能テスト―個体レベルと分子レベルを結ぶ
3.マウス・ラツト
ムリサイドテスト
山本 経之
1
1九州大学薬学部薬理学教室
pp.428-429
発行日 1994年10月15日
Published Date 1994/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425900773
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目標
攻撃行動は,下等動物からヒトに至るまで広くみられる基本的な行動である。攻撃行動は,自からの生存を脅かす対象には立ち向って積極的にこれを打ち負かす攻撃的攻撃行動(offensive aggression)と,侵害的な外来刺激に敏感に反応し素早く逃れて身を守る防御的攻撃行動(defensive aggressison)に大別され,さらに同種間の攻撃行動と異種間の攻撃行動とに生態学上分けることもできる。ムリサイドはラットがマウスを殺す行為を指し,異種間の攻撃的攻撃行動に属する。
ムリサイドはこれまで攻撃行動の中枢機構解明への実験モデルとして,また情動異常や精神障害の病態モデルとして向精神薬とくに抗うつ薬の前臨床的評価法として繁用されている。
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