Medical Scope
フォーム・テスト(シェイク・テスト)
島田 信宏
1
1北里大学病院産科
pp.266
発行日 1978年4月25日
Published Date 1978/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205371
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早産のときに,生まれてくる低出生体重児がRDSになるかどうかを診断する方法として,羊水中の肺サーファクタント(表面活性物質)を定量したり,それとスフィンゴミエリンとの比率,L/S比(ratio)を測定する検査法があるのは,よく御承知のことと思います。今日ではL/S ratioというのがよく測定されていますが,これは妊娠週数とともに,肺サーファクタントであるレシチン(L)は増量してくるのに対し,スフィンゴミエリン(S)は妊娠の時期に関係なく,ほぼ一定の割合で羊水中に含まれている物質なので,これに対する比率をとれば,羊水中に(L)が増量しているか,減っているかが分ることになります。この理論からL/S ratioを測定するのです。
これが2.0以上なら胎児肺は成熟しているので,出生後RDSにはならいと思いますが,1.5以下だとほぼ100%にRDSは発生するとされています。今日では,L/S ratioが低いときには,グルココルチコイド(主として,ベーター・メサゾン)の投与法によって,肺サーファクタントの増量をはかる治療法も考案され,応用されています。
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