特集 現代医学・生物学の仮説・学説
1.細胞生物学
膜のリサイクリング
門田 朋子
1
1千葉大学医学部第一解剖学教室
pp.414-415
発行日 1993年10月15日
Published Date 1993/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425900593
- 有料閲覧
- 文献概要
概説
膜のリサイクリングとは,再利用を含む膜の再循環(recycling)という現象をさしており,神経細胞,分泌細胞に広くみられる。この現象は1970年代はじめ,「シナプス小胞膜再循環仮説(synaptic vesicle membrane recycling hypothesis)」として,機能と密着した微細形態的現象として提示された1)。この後「膜再循環」はシナプス小胞のエクソサイトーシス・エンドサイトーシス現象の一環として各種のシナプスで広く検討されてきた2,3)。1980年代に入ってから[膜のリサイクリング」の研究は免疫細胞学的手法の導入によってさらに進展してきた。分泌細胞.神経細胞を通じて,Kellyらの提唱する調節性分泌経路5)のなかの共通の一過程として捉えられ,検討されるようになってきている。
シナプス小胞膜再循環仮説
Copyright © 1993, THE ICHIRO KANEHARA FOUNDATION. All rights reserved.