特集 現代医学・生物学の仮説・学説2008
1.細胞生物学
膜リサイクリングシステム
田口 友彦
1
Tomohiko Taguchi
1
1クイーンズランド大学
pp.342-343
発行日 2008年10月15日
Published Date 2008/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425100505
- 有料閲覧
- 文献概要
- 参考文献
タンパク質の可視化の手法が近年急速に進歩・確立され,タンパク質の動態を時間的・空間的に精緻に追跡することが可能になってきた。そのことによって,タンパク質が実際に機能している“場”について情報を得ることができ,タンパク質の一生に関してわれわれは多くのことを学ぶことができるようになってきている。タンパク質の誕生(生合成)と死(分解)についての理解が多くのブレークスルーを医学・生物学にもたらしているのは周知であるが,タンパク質が機能している“場”についての知見が今後どのような形でタンパク質の一生に関して統合的理解をもたらしてくれるのか多いに興味あるところである。本稿では,近年進展が著しい細胞膜タンパク質の膜リサイクリングシステムについて概説し,その中心的な役割を果たしている細胞内小器官リサイクリングエンドソーム(以下REと略)に関する最新の知見を紹介したい。
Copyright © 2008, THE ICHIRO KANEHARA FOUNDATION. All rights reserved.