特集 〈研究室で役に立つ細胞株〉
Ⅶ.その他の細胞株
両生類細胞
有尾両生類:HTUD2
黒尾 正樹
1
1東邦大学理学部生物学科
pp.546-547
発行日 1992年10月15日
Published Date 1992/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425900509
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■樹立の経緯
有尾両生類の染色体分析には,尾芽胚を用いる方法が非常に有効であるが1),実験室では胚が得難い種も少なくない。サンショウウオ科(Hynobiidae)に分類されるサンショウウオも例外ではなく,繁殖期以外に胚を得ることがほとんど不可能なため,染色体の研究にも制約が大きかった。そこで,トウキョウサンショウウオ(Hynobius tokyoensis)の尾芽胚を用いて,次のようにして細胞株の樹立を試みた。
できるだけ無菌的な状態を保つようにして,クリーンベンチ内で卵嚢外被と卵膜を破って胚を取り出し,70%メタノールで1分間程度処理する。両生類用の生理的塩類溶液で数回洗浄した後,培養液に胚を移し,パスツールピペットを用いて胚を粉砕し,培養した。
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