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I.神経誘導のモデル
卵より親への生物の形づくりと細胞分化の中では,いかにして胚軸(頭尾軸,背腹軸,左右軸)を形成していくかが重要である。その中でとくにこれらの胚軸形成と直接に関係する中枢神経系をどのようにして形成するかということがある。この中枢神経系の発生過程には神経誘導という概念と実体が存在する。神経誘導は,Hans Spemannの弟子であるHilde Mangoldが,1921年に形成体(organizer,原口上唇部)の移植実験により確認した現象である1)。この実験は色の異なるイモリ間(スジイモリとクシイモリ)で行われ,宿主胚にできた2次胚のどの部分が移植片由来かを判別することによって明らかにした。これによると,移植片(形成体)は脊索と一部の体節に分化し,大部分の神経管や体節,そして前腎などは宿主胚から誘導されることが明らかとなった。このように,動物の初期発生では形成体を中心に様々な誘導現象が見られ中枢神経の原基も誘導の結果として分化してくることが示唆された。このことで重要なことは,胚発生ではまず脊索や筋肉などの中胚葉性組織の分化の確立があって,その後神経が生じてくることである(図1)。
After the discovery of organizer by H. Spemann and H. Mangold in 1924, many investigators have tried to isolate or identify the neuralizing factors which induce the central nervous system in ectoderm. Three signal models, which are vertical, planer and homeiogenetic neural inductions for neural forma-tion are described. The recent molecular and biochemical studies have revealed that many genes relate with neurogenesis such as noggin, chordin, XlPOU-2, XASH-3, Delta, Notch and neuro D.
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