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特集 神経系に作用する薬物マニュアル
Ⅲ.代謝的に作用する薬物
代謝回転に作用する薬物
グルタミン酸減少剤:ケトジカルボン酸担体阻害剤
Ketodicarboxylate carrier inhibitor
藤田 道也
1
Michiya Fujita
1
1浜松医科大学生化学第2講座
pp.499
発行日 1991年10月15日
Published Date 1991/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425900272
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「概説」
グルタミン酸,アスパラギン酸の脱アミノ産物であるα-ケト(=2-オキソ)グルタル酸,ナキザロ酢酸はケト(=オキソ)基をもつジカルボン酸(カルボキシル基2個をもつ酸)である。グルタミン酸はミトコンドリア膜間スペースでグルタミンからリン酸活性化グルタミナーゼの作用で生じ,次に内膜をこえてマトリクス中に入り,そこでアミノ基を失ってα-ケトグルタル酸になる。後者はケトジカルボン酸担体2)を介してサイトソルに出,アミノ基転移を受けてグルタミン酸になる1)。もし,ケトジカルボン酸担体を競り合う物質(競合阻害剤)または別の形式の阻害剤が存在すると,α-ケトグルタル酸はミトコンドリア外に出られず,したがってグルタミン酸にも転化しないことになる。
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