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特集 ペルオキシソーム/最近の進歩
ペルオキシソームのアラニン:グリオキシル酸アミノトランスフェラーゼ
Peroxisomal alanine: glyoxylate aminotransferase
野口 知雄
1
,
藤原 智子
1
,
林 寿恵子
1
,
櫻庭 春彦
1
Tomoo Noguchi
1
,
Satoko Fujiwara
1
,
Sueko Hayashi
1
,
Haruhiko Sakuraba
1
1九州歯科大学生化学教室
pp.189-193
発行日 1991年6月15日
Published Date 1991/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425900190
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ペルオキシソームは,ラット肝臓では一群の抗脂血剤を投与すると著しく増殖するという興味深い性質を示すにもかかわらず,生理的に意義のないオルガネラであり,原始呼吸に寄与していた酵素群が残存している化石顆粒だと考えられていた1)。
ところが,1976年Lazarowとde Duve2,3)によって脂肪酸のβ-酸化系がラット肝臓において,ミトコンドリアの他にペルオキシソームにも存在し,その活性が抗脂血剤の投与によって著しく上昇することが明らかにされ,ペルオキシソームの機能が脚光をあびだ。そのため,動物のペルオキシソームに関しては,主に脂質代謝との関連で研究が進められてきた4-9)。しかし,動物のペルオキシソームは脂質代謝の他にも重要な役割を演じている。著者らはLazarowらと時を同じくして,動物のペルオキシソームがアミノ酸10),グリオキシル酸9),核酸塩基の代謝11-14)にも重要な役割を演じていることを明らかにしてきた。
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