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特集 がん遺伝子の発見は現代医療を進歩させたか
Ⅰ.がん遺伝子研究の新しい展開
がん悪性形質をつかさどるMYCの新機能と制御
Latest features and regulatory mechanisms of MYC as a master regulator of cancer
杉原 英志
1
,
佐谷 秀行
1
Sugihara Eiji
1
,
Saya Hideyuki
1
1藤田医科大学がん医療研究センター遺伝子制御研究部門
キーワード:
MYC
,
スーパーエンハンサー
,
がん免疫
,
スプライシング異常
,
多量体化
Keyword:
MYC
,
スーパーエンハンサー
,
がん免疫
,
スプライシング異常
,
多量体化
pp.316-321
発行日 2023年8月15日
Published Date 2023/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425201700
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MYCは転写因子として標的分子の発現制御により,細胞増殖や不死化,血管新生や代謝のリプログラミングといったがん悪性形質を促進する強力なドライバー遺伝子である。近年,MYCはスーパーエンハンサーによって過剰発現することやがん免疫の抑制およびスプライシング異常の誘導,多量体形成による複製フォークの防御など,新たな重要な機能が報告された。しかし,長年の研究にもかかわらずいまだMYCを標的とした医療は実現していない。本稿では,MYCの基本的な機能と最新の重要トピックを概説し,MYC標的治療の開発状況について紹介する。
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