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特集 がん遺伝子の発見は現代医療を進歩させたか
Ⅰ.がん遺伝子研究の新しい展開
がん遺伝子ErbBとEGFRの発見は,がん治療に革命をもたらした
Groundbreaking discover of oncogene ErbB and EGFR made revolutionized changes in cancer treatment
後藤 典子
1
Gotoh Noriko
1
1金沢大学がん進展制御研究所
キーワード:
受容体チロシンキナーゼ
,
シグナル伝達
,
非小細胞肺がん
,
乳がん
Keyword:
受容体チロシンキナーゼ
,
シグナル伝達
,
非小細胞肺がん
,
乳がん
pp.312-315
発行日 2023年8月15日
Published Date 2023/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425201699
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がん遺伝子ErbBは,トリ赤芽球白血病レトロウイルスにコードされているがん遺伝子として発見された。EGFR(epidermal growth factor receptor)は,細胞膜上にある受容体チロシンキナーゼであり,細胞外の増殖因子の結合により,シグナル伝達を起こす分子である。ErbBがEGFRの一部欠失した遺伝子であることがわかり,ヒトがんとの関わりについて発見当時より盛んに研究が行われ,肺がんや乳がんのパイオニア的な分子標的薬が開発された。これらが患者予後を著明に改善させたため,世界的にチロシンキナーゼやそのシグナル伝達を標的とした分子標的薬の開発が盛んに行われ,現在に至る。いったん治療に反応しても,がんは耐性を獲得するという問題があり,第二世代,第三世代の分子標的薬が開発され,実臨床で使われている。
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