Japanese
English
特集 科学と芸術の接点
芸術作品のなかに時間を見る—感性認識の捉えたもの
Seeing time in art:What kansei recognition captured
三浦 佳世
1
Miura Kayo
1
1九州大学
キーワード:
絵画
,
時間印象
,
速度感
,
空間周波数
,
感性
Keyword:
絵画
,
時間印象
,
速度感
,
空間周波数
,
感性
pp.509-512
発行日 2019年12月15日
Published Date 2019/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425201089
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15世紀後半,Leonardo da Vinciは「芸術の科学を学び,科学の芸術を学びなさい。感覚を磨き,ものの見方を身につけなさい」と述べ,芸術と科学の融合を説き,“見方”の重要性を指摘した1)。
芸術が技術から分離し,技術が科学と結びつくのは18世紀後半のことであるが,その直前の18世紀半ばに,美学(aesthetics)と訳される学問領域が誕生する。この言葉も,語源は“知覚”を意味する古代ギリシャ語aisthesisである。ドイツの哲学者Baumgartenはこの言葉をもとに,従来の知性や理性に基づく論理学ではなく,感覚や感性に基づく認識論を打ち立てようとした。彼はその後,この感性による認識の完全なる形式が美であると考え,考察の対象を美や芸術に置くようになる2)。
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