研究報告
日本における「看護学生の感性」に関する概念分析
小川 宣子
1
,
阪上 由美
2
,
七山(田中) 知佳
3
,
山本 十三代
1
1摂南大学看護学部
2武庫川女子大学看護学部
3元摂南大学看護学部
キーワード:
看護学生
,
感性
,
概念分析
Keyword:
看護学生
,
感性
,
概念分析
pp.266-273
発行日 2017年6月15日
Published Date 2017/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681201382
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背景:看護基礎教育で強化すべき内容として,倫理観および人に寄り添う姿勢が挙げられ,看護師としての態度を形成するためには感性を育てることが重要である。しかしながら,先行研究において「看護学生の感性」の概念を検討したものはない。看護基礎教育での教育に不可欠な「看護学生の感性」の概念を明らかにすることが求められる。
目的:「看護学生の感性」の概念の分析を目的とした。
方法:国内文献のみを対象とし,「感性」「看護」をキーワードに医学中央雑誌を用いて検索した。Rodgersの概念分析法を参考に,対象文献より先行要件・属性・帰結に関する記述を抽出し,それぞれ類似した内容でカテゴリー化した。
結果:最終的に44文献が対象となった。「看護学生の感性」の先行要件として《学生の体験》《学生の特性》の2つのカテゴリーが,属性として《現象への気づき》《感情の動き》《五感を働かせる》《関心を深める》《自己を見つめる》《創造する》の6つのカテゴリーが,帰結として《対象に応じた看護》《対象への共感的理解》《学習者としての行動の変容》《専門職業人としての自覚の芽生え》の4つのカテゴリーが抽出された。
結論:「看護学生の感性」は,「看護学生が《自己を見つめる》ことや《感情の動き》を意識し,自らの《五感を働かせる》ことで《現象への気づき》を得る能力」であり,「現象の中から価値あるものを《創造する》ことや,対象への《関心を深める》基盤となるもの」であると定義できた。
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