Japanese
English
仮説と戦略
細胞内共生による真核細胞の進化─宿主真核細胞とミトコンドリア・葉緑体の協調増殖
Endosymbiotic evolution of eukaryotes:coordinated proliferation of the eukaryotic host cell and mitochondria/chloroplasts
宮城島 進也
1
Miyagishima Shin-ya
1
1情報・システム研究機構国立遺伝学研究所細胞遺伝研究系
キーワード:
細胞内共生
,
ミトコンドリア分裂
,
葉緑体分裂
,
酸化ストレス
Keyword:
細胞内共生
,
ミトコンドリア分裂
,
葉緑体分裂
,
酸化ストレス
pp.371-377
発行日 2018年8月15日
Published Date 2018/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425200835
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
真核細胞内のエネルギー変換オルガネラであるミトコンドリアと葉緑体は,それぞれ独立生活していたバクテリアが真核細胞内に共生することで誕生した1,2)。宿主である真核細胞が共生体を維持し続けるためには,宿主細胞の成長・分裂に伴って共生体・オルガネラも成長分裂し,娘細胞に引き継がれることが必須である。進化の点から言えば,宿主細胞と共生体が協調増殖する機構が獲得されたことにより,恒久的な共生関係が成立し,共生体由来オルガネラが誕生したことになる。
本稿では,①ミトコンドリアと葉緑体の分裂が宿主である真核細胞によってどのように制御されているのか,②ミトコンドリアと葉緑体のエネルギー変換により宿主の成長・分裂がどのような制約を受けるのか,という2つの点から,宿主真核細胞と共生体由来オルガネラの協調増殖機構に関するこれまでの理解を紹介する。
Copyright © 2018, THE ICHIRO KANEHARA FOUNDATION. All rights reserved.