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特集 いかに創薬を進めるか
ゼブラフィッシュ創薬とプレシジョンメディシン
Zebrafish-based drug discovery and precision medicine
田中 利男
1,2
Tanaka Toshio
1,2
1三重大学大学院医学系研究科システムズ薬理学
2三重大学メディカルゼブラフィッシュ研究センター
キーワード:
ゼブラフィッシュ創薬
,
in vivoフェノタイプスクリーニング
,
個別化医療
,
プレシジョンメディシン
,
薬理フェノミクス
Keyword:
ゼブラフィッシュ創薬
,
in vivoフェノタイプスクリーニング
,
個別化医療
,
プレシジョンメディシン
,
薬理フェノミクス
pp.297-299
発行日 2018年8月15日
Published Date 2018/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425200818
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Ⅰ.ゼブラフィッシュ創薬の急激な展開
21世紀の本格的ゲノム創薬時代に突入してからも,難治性疾患(アンメットメディカルニーズ)に対する画期的治療薬(first-in-class)開発は,困難を極めている。一方,この困難な時代において,見事に米国食品医薬品局(Food and Drug Administration;FDA)に承認された新薬を解析すると,62%の画期的新薬は,フェノタイプスクリーニングにより見いだされていることが明らかとなった1)。ゼブラフィッシュ創薬は,ハイスループットin vivoフェノタイプスクリーニングを可能にし,現在グローバルな創薬戦略にインパクトを与え,明白なパラダイムシフトが実現している2)。
実際,欧州では2008年からはラットを抜いて,ゼブラフィッシュがマウスの次に頻用されているモデル生物となり,国際的メガファーマも薬効・安全性研究でゼブラフィッシュを積極的に活用している。ゼブラフィッシュフェノタイプスクリーニングが著効した成功例として,画期的医薬品のORC-13661など3)やドラッグ・リポジショニング(drug repositioning)が報告されている。これらの事例により,今後,創薬全体への影響が明らかになるであろう2)。
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