Japanese
English
特集 血管制御系と疾患
神経変性疾患と血管系シグナル
Neurodegenerative diseases and vascular signals
今村 恵子
1
,
井上 治久
1
Imamura Keiko
1
,
Inoue Haruhisa
1
1京都大学iPS細胞研究所増殖分化機構研究部門幹細胞医学分野
キーワード:
VEGF
,
筋萎縮性側索硬化症
,
アルツハイマー病
,
パーキンソン病
Keyword:
VEGF
,
筋萎縮性側索硬化症
,
アルツハイマー病
,
パーキンソン病
pp.348-350
発行日 2017年8月15日
Published Date 2017/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425200644
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腫瘍や炎症性疾患にみられる血管新生機構の解明が進められ,血管系シグナル伝達に関与する因子が明らかにされてきた。そのなかでも,血管内皮細胞増殖因子(vascular endothelial growth factor;VEGF)は,血管新生制御において中心的な役割を果たすことが知られている1)。VEGFは,血管内皮細胞に対する増殖因子および血管透過性亢進因子の性質を持つ糖タンパク質で,血管新生や血管透過性亢進誘導のほか,内皮細胞の遊走や細胞接着因子の発現制御作用を有し,生体内で酸素欠乏が生じた際には,血流改善と酸素供給を促進する1-3)。近年,VEGFが幾つかの神経変性疾患の病態に関連することが明らかにされた4,5)。本稿では,神経変性疾患とVEGFの関連について紹介する。
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