増大特集 病態バイオマーカーの“いま”
Ⅵ.精神・神経疾患
7.特発性正常圧水頭症
糖鎖バイオマーカーによる特発性正常圧水頭症と神経変性疾患の鑑別
星 京香
1
,
吉原 章王
2
,
深津 真彦
3
,
金子 知香子
4
,
伊藤 浩美
1
,
橋本 康弘
1
Hoshi Kyoka
1
,
Yoshihara Akio
2
,
Fukatsu Masahiko
3
,
Kaneko Chikako
4
,
Ito Hiromi
1
,
Hashimoto Yasuhiro
1
1福島県立医科大学医学部生化学講座
2大原綜合病院神経内科
3福島県立医科大学医学部循環器・血液内科学講座
4総合南東北病院神経内科
キーワード:
認知症
,
歩行障害
,
アルツハイマー病
,
AD
,
パーキンソン病
,
PD
,
特発性正常圧水頭症
,
iNPH
Keyword:
認知症
,
歩行障害
,
アルツハイマー病
,
AD
,
パーキンソン病
,
PD
,
特発性正常圧水頭症
,
iNPH
pp.498-499
発行日 2016年10月15日
Published Date 2016/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425200536
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特発性正常圧水頭症(iNPH)は,認知症,歩行障害を示す老人性の水頭症である。水頭症は髄液代謝異常に基づくことから,髄液に特徴的な分子のスクリーニングを行ったところ,ユニークな糖鎖修飾を受けたトランスフェリン(Tf)が見いだされた。この“脳型”Tfは,iNPHの診断マーカーとなることが示された。また,認知症の代表疾患であるアルツハイマー病との鑑別が可能であった。一方,歩行障害を示すパーキンソン病では,iNPHと同様のマーカー変化を示すサブグループの存在が示された。このサブグループのTfマーカーは,Q-Qプロットで直線性を示すことから,正規分布を示す独立したグループであることが示された。このグループに特徴的な臨床症状の探索を行っている。
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