Japanese
English
特集 脳と心の謎はどこまで解けたか
習慣の神経メカニズム
Neural mechanism of habit formation
吉田 純一
1
,
礒村 宜和
1,2
Yoshida Junichi
1
,
Isomura Yoshikazu
1,2
1玉川大学大学院脳科学研究科
2玉川大学脳科学研究所
pp.14-18
発行日 2015年2月15日
Published Date 2015/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425200096
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新しいパソコンを買ったとき,キー配列が以前のものと違って戸惑ったことはないであろうか。そんなとき,最初は若干ぎこちない操作になってしまう。しかし,そのパソコンを使い続けているといつの間にか滑らかにキー操作ができるようになり,そのキー配列でタイプすることが習慣になってくる。だが,あまりにそのキー配列に慣れすぎてしまうと,別のパソコンを使うときにいつもの癖が出てしまい困ってしまうこともある。例えば,Ctrlキーを押そうとしてFunctionキーを誤打してしまう,といった具合である。
学習した行動が習慣化されることで,われわれはそれほど意識せずとも,正確で素早い行動ができるようになる。一方で,習慣化された行動が固定化してしまい,いわば癖になってしまうと,柔軟に行動を変化させることが難しくなる。行動を習慣にするメカニズムは,われわれの生活を効率的にしてくれるものであるが,適切な制御を欠けば著しい弊害にもなる。
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