Japanese
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特集 エピジェネティクスの今
精神疾患とエピジェネティクス
Mental disorders and epigenetics
菅原 裕子
1,2
,
文東 美紀
3
,
石郷岡 純
1
,
加藤 忠史
4
,
岩本 和也
3
Sugawara Hiroko
1,2
,
Bundo Miki
3
,
Ishigouoka Jun
1
,
Kato Tadashi
4
,
Iwamoto Kazuya
3
1東京女子医科大学 神経精神科
2東京女子医科大学女性医師・研究者支援センター
3東京大学大学院医学系研究科 分子精神医学講座
4理化学研究所脳科学総合研究センター 精神疾患動態研究チーム
pp.595-600
発行日 2014年12月15日
Published Date 2014/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425200086
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精神疾患は脳の機能障害によって幻覚や抑うつなどの様々な精神症状を呈する身体疾患である。しかし,他の身体疾患と最も大きく異なる点は,いまだ病因が明らかとなっておらず,責任病変である脳の機能障害を捉える生物学的指標が存在しないことである。精神疾患の病態解明のためこれまでに多くの研究が行われ,精神疾患は遺伝要因と環境要因が複雑に関与することで発症すると考えられている。この遺伝環境相互作用におけるメカニズムとして,エピジェネティクスの関与が注目されており,精神疾患を対象としたエピジェネティクス研究が盛んに行われつつある。ここではエピジェネティクスの分子基盤の中でもDNAメチル化に焦点を当て,精神疾患におけるエピジェネティクス研究について最近の知見をまとめた。
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