今月の主題 エピジェネティクスと臨床検査
疾病とエピジェネティクス
精神発達障害とエピジェネティクス
久保田 健夫
1
Takeo KUBOTA
1
1山梨大学大学院医学工学総合研究部環境遺伝医学講座
キーワード:
精神発達障害
,
エピジェネティクス
,
エピゲノム
Keyword:
精神発達障害
,
エピジェネティクス
,
エピゲノム
pp.669-673
発行日 2008年6月15日
Published Date 2008/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542101623
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エピジェネティクスは,細胞の分化や維持に必須の遺伝子調節機構である.この異常がヒトに病気をもたらすことが,精神発達障害疾患の研究を通じてはじめて明らかにされた.この知見をもとに,新しい遺伝子検査が考案され,さらに基礎的理解が進むにつれてエピジェネティクス異常はこれまで原因が未知であった精神発達障害疾患の原因になっていることも判明した.近年,種々の動物実験により,エピジェネティクスは後天的にも変化することが明らかにされ,生後の環境要因がエピジェネティクスを介して精神発達障害を発症させている可能性が想定されている.
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