増大特集 革新脳と関連プロジェクトから見えてきた新しい脳科学
Ⅲ.ヒト疾患研究
a)精神疾患
脳ゲノム情報解析による精神疾患関連神経回路の同定と機能解明
岩本 和也
1
Iwamoto Kazuya
1
1熊本大学大学院生命科学研究部分子脳科学講座
キーワード:
母体免疫活性化
,
統合失調症
,
双極性障害
,
トランスポゾン
,
poly(I:C)
Keyword:
母体免疫活性化
,
統合失調症
,
双極性障害
,
トランスポゾン
,
poly(I:C)
pp.460-461
発行日 2022年10月15日
Published Date 2022/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425201583
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統合失調症,自閉症,双極性障害などの精神疾患では,疫学や遺伝学的研究から共通した環境要因やゲノム要因が発症に関与することが示唆されている。共通の要因から異なる精神症状を特徴とする精神疾患が発症する原因の一つとして,影響を受ける脳領域や神経回路の差異があると考えられる。革新脳プロジェクトでは,環境要因,ゲノム要因それぞれについて,影響を受ける脳領域の同定を試み,どのような精神症状と対応するのか,動物モデルを用いて検討している。本稿では,環境要因に着目した研究の試みについて紹介する。
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