特集 エピジェネティクスの今
特集「エピジェネティクスの今」によせて
野々村 禎昭
1
1東京大学
pp.528
発行日 2014年12月15日
Published Date 2014/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425200073
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本号のテーマは2000年代の中ごろ幾つかの雑誌で特集記事が組まれた後はエピジェネティクス(この定義は—DNAの塩基配列の変化なしに染色体による変化で次世代に受け継がれる形質—)はあまり取り上げられてこなかった。
ウォーレス,ダーウインの進化論,メンデル,モルガンの遺伝学,それらを分子レベルで結び付けたワトソン,クリックのセントラルドグマが提案されゲノム情報ですべての生命現象は説明がつくと思われた。1953年にワディントンによってエピジェネティクスという概念が提案された。この間ゲノム情報だけでは説明できない事実が幾つも出て,エピジェネティクスを導入して初めて解決できることが次々と見いだされてきた。
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