--------------------
あとがき
松田 道行
pp.188
発行日 2014年4月15日
Published Date 2014/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425101603
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
本誌の編集委員になり初めて特集を組みました。多忙な中,執筆いただいた先生方に心からお礼を申し上げたいと思います。御蔭様でシングルセルアナリシスの現状を概ね俯瞰できたのではないかと自負しております。ただ,この特集に入れられなくて残念に思っていることがあります。それは数理科学・情報科学のシングルセルアナリシスに対する寄与です。シングルセルアナリシスが意味するところは一つの細胞を解析する,ということではありません。膨大な数の細胞を一つずつ解析する,ということなのです。したがって,この研究領域には画像解析・情報抽出・モデル化など,実験屋の能力を超える多くの仕事が発生します。実験・計測と情報・数理の研究者間の協力をいかに進めていくかが喫緊の課題だと思います。
冬季オリンピックも無事に終わりました。今回も選手たちの悲喜こもごものドラマを観ました。期待に応えられなくてすいません,というコメントをした選手がいましたが,こちらが勝手に期待したのだから謝る必要はないのです。研究もそうだと思います。頑張っても成果が出ないのはやむを得ないことです。卒業の時節です。成果の優劣はあるにせよ,胸を張って社会に出てほしいと思います。
Copyright © 2014, THE ICHIRO KANEHARA FOUNDATION. All rights reserved.