増大特集 細胞表面受容体
●構造的特徴:1回膜貫通型◆受容体の遺伝子:SEMA3A
セマフォリン3A受容体としてのニューロピリン1・プレキシンA複合体
中村 史雄
1
,
五嶋 良郎
1
Nakamura Fumio
1
,
Goshima Yoshio
1
1横浜市立大学医学部 分子薬理神経生物学
pp.498-499
発行日 2013年10月15日
Published Date 2013/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425101534
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セマフォリン3A(Semaphorin-3A,Sema3A)はニワトリ胚脊髄後根神経節の神経突起を退縮させる因子Collapsinとして同定された。同時期にバッタ胚の神経伸長制御にかかわる分子FasIVが同定された。CollapsinとFasIVのアミノ酸一次構造の比較によりN末端側に550アミノ酸の相同領域が見いだされたことから,この相同領域をSema領域と命名し,Sema領域を持つ分子群をセマフォリンファミリーとして定義した。
セマフォリンはその一次構造から無脊椎(1,2),脊椎動物(3-7),ウイルス(V)のクラスに分類される。セマフォリンの多くはプレキシン(Plexin)を直接あるいは間接的な受容体・シグナル伝達分子とする1)。Plexinは細胞外にSema領域を持ち,セマフォリンの遠縁分子と考えられる。また,Plexinは一次構造からA-Dのクラスに分類され,その中に1~数個のメンバーを持つ。ここではクラス3セマフォリンのSema3Aとその情報伝達機構について述べる。
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